大学教授法開発論/大学教員準備プログラム

Teaching Development in Higher Education / Preparing Future Faculty Program

大学教授法開発論/大学教員準備プログラム

2012

PFFP

大学教員準備プログラム


PFFP ワークショップ(オリエンテーション)

2012年11月18日(日)

2012年度東北大学大学教員準備プログラム(Tohoku U. PFFP)の参加者の顔合わせです。自己紹介、プログラムの説明、日本の大学が直面している課題、大学教員の仕事と専門性(講義)、事務手続き等を行います。このオリエンテーションを通してお互いのことを知り、これからの活動にむけての準備を始めます。

・PFFPの目的に関する講義
・2011年度PFFP参加者の報告
・大学教員の役割と専門性に関する講義
・課題とリフレクティブ・ジャーナルの説明


授業の基礎知識を得る

2012年11月30日(金)

大学の授業のシラバス作成などのワークを通じて、15回の授業設計について実践的に学びます。

・学生の学習を理解する
・授業の全体を構想する
・シラバスの要素を理解する
・教育活動をシラバスに表現する


授業を見る聞く学ぶ

2012年12月中

東北大学総長教育賞を受賞した教員など教育経験の豊富な教員の授業を参観し、授業終了後に授業実践者と共にふり返りのディスカッションを行います。

・関内 隆教授(高等教育開発推進センター)の授業
・邑本俊亮教授(災害科学国際研究所)の授業
・阿部恒之教授(文学研究科)の授業


自分の授業をみつめる:マイクロティーチング

2013年1月29日(火)

参加者は90分の授業計画をたて、その内の10分程度を実際に行います(これをマイクロティーチングといいます)。他の参加者やメンターからのコメントをもとに、自分の授業をふり返ります。また、授業の様子はビデオで撮影し、後日、自分の授業を見直す際に利用します。

・マイクロティーチングの実践
・フィードバックセッション
・セルフリフレクションの実践


自分の授業をみつめる:模擬授業

2013年3月12日(火)

マイクロティーチングでの経験を基に、30分の模擬授業を設計、実践し、他の参加者やメンター教員からコメントをもらいます。マイクロティーチング同様、授業の様子はビデオで撮影し、後日、自分の授業を見直す際に利用します。

・模擬授業の実践
・フィードバックセッション
・セルフリフレクションの実践


先端的PFFPで学ぶ

バークレー集中コース:2013年2月20日~3月2日

カリフォルニア大学バークレー校にて、参加者のために独自に準備されたコースに参加をします。この集中コースでは、キャンパスや授業を参観し、学生の学びを促進するためにどのような授業設計がされ、どのように学習環境が整えられているかをフィールドワークします。また、教授・学習理論、教授技術など教育活動の基礎理論をGSI教育研究センターの講師陣とのインタラクティブなやりとりを通して学びます。

・バークレーの教育制度やTA制度に関する講義
・キャンパスや授業参観
・教員やTAに対するインタビュー


参加報告会

2013年3月22日(金)

2012年度Tohoku U. PFFPの参加報告を行います。特に、海外集中コースでの体験を共有し、大学教員職や教育に関する理解を更に深めることを目的としています。最後に、高等教育開発推進センターより修了証の授与を行います。

・海外集中コース報告
・先達教員からのコメント
・修了証授与
・懇親会

成果報告:
本プログラムでは,課題レポートの提出と参加報告会での発表により、プログラムの成果を報告してもらいます。

課題レポート:
あなたが考える学生にとって大学でのよい学習経験とはどのようなものだと考えますか。また、そういった学習経験を実現するために、大学や大学教員は何をするべきだと考えますか。研修で取り上げた内容や作成したリフレクティブ・ジャーナルを適宜参照しながら4,000字程度でまとめてください。

リフレクティブ・ジャーナルの作成

プログラムを通して、大学教員という仕事や大学教育に関する考え方がどのように発展していったのかをリフレクティブ・ジャーナルに記録し、自分なりの教育観を構築します。このリフレクティブ・ジャーナルを通して、自身が達成したこと、そしてそこまでのプロセスをふり返り、自己省察に役立てます。

「学生にとって、大学でのよい教育経験とはどのようなものだと考えますか。また、そういった教育経験を実現するために、大学や大学教員は何をするべきだと考えますか。」という問いについて、研修やその他の活動を通して考えたことを記録していきます。また、メンター教員という役割の教員が、定期的にリフレクティブ・ジャーナルを読み、コメントを記入します。コメントの目的は、作成者が表現したいと考えていることをより明確にしたり、別の視点から考えたり、客観的にふり返ることを促進することです。

高等教育開発推進センターや教養教育院のベテラン教員が先達として皆さんの成長を支援します。先達教員はリフレクティブ・ジャーナルへのコメントや授業実践に対するコメントなどを寄せます。
2012年は8名の教員がメンター教員として活躍しました。

海老澤 丕道 先生

教養教育院総長特命教授、東北大学名誉教授(大学院情報科学研究科)理学博士
専門分野:理論物理(超伝導/超流動、ナノ物理学)、ゆらぎ科学

森田 康夫 先生

教養教育院、東北大学名誉教授
専門分野:代数学、科学教育

前 忠彦 先生

教養教育院、東北大学名誉教授
専門分野:植物栄養学・土壌学、植物生理・分子

芳賀 満 先生

高等教育開発推進センター 人文社会科学教育室 教授
専門分野:古代ギリシア・ローマ、古代オリエント、歴史学、考古学、美術史

佐藤 勢紀子 先生

高等教育開発推進センター 日本語研修室 教授
専門分野:思想史(日本思想史)、日本文学、科学教育、平安文学における仏教思想、アカデミック・ジャパニーズの教材開発、外国語としての日本語の教授法

北原 良夫 先生

高等教育開発推進センター 語学教育室 准教授
専門分野:言語の形式文法からの研究、言語データ処理への統計学的アプローチ、高等教育に関する研究

Todd Enslen 先生

高等教育開発推進センター 語学教育室 講師
専門分野:英語教育、語用論的能力の発達

羽田 貴史 先生

高等教育開発推進センター 教授,大学教育支援センター長
専門分野:大学組織改革、戦後教育改革、近代日本大学財政制度史

2012年度プログラムの参加者です。(学年・職階は2012年度当時)

教育学研究科  D2 浅井 継悟
経済研究科   D3 王 慧子
文学研究科   D2 小島 さつき
情報科学研究科 D2 志柿 浩一郎
国際文化研究科 D2 席 芳媛
農学研究科   D3 蘇 敬夏

参加者の声

先達教員との交流は大変勉強になった。特に模擬授業とマイクロティーチングでは、フィードバックシートを通して先達教員からの提案と意見をもらえたことが有意義だった。

PFFPのような機会を理系の分野の学生たちにも、もっと体験してほしいと思います。キャンパスが複数ある関係で、理系の研究科には、こういったプログラムの宣伝がうまくできていないと思います。特に雨宮キャンパスの人にもっと知ってもらいたいです。

教員としての心構えも持つことができたり、将来の人生プランを立てたり、いい先生とはどのような先生なのかをもう一度考えたりする、いい機会となりました。大学院卒業後に、なんとなく大学教員になるのではなく、現状に甘んじることなく、よりよい教員を目指して、努力していこうと強く思いました。このようなプログラムは、これからの大学教員を目指す新任教員には実に大切であると思いました。これからも継続して、教員教育を進めて行ってほしいと思いました。